ローゼンメイデン2部7巻 男の喧嘩はぶつかり合い 女の喧嘩は精神の抉り合い

 「ローゼンメイデン」第2部7巻入手完了です。
表紙を飾るドールは我らが雛苺です。
2部1巻から一人ずつ表紙を飾ってきましたが、今回7体目で
ようやくヒナのターンです。これでローゼンの娘がそろいました。

 7巻はTALE38〜43までの6話収録です。では早速、一話ずつ
簡単にですが振り返っていきましょう。


TALE38「胸騒ぎ」
『フラグには十分気をつけろ』
 ジュン、あの316号室に搬送。めぐと「同じ部屋」なんですね。
前にも書きましたが、「ジュンとめぐ」この両名には……
さまざまな「めぐりあわせ」で、「学校」という本来の居場所に
行けなくなったという共通点があるんですね。

 梅岡、人形にまで呆れられるとはなんかもうね、アレです。
ドールズの会合、やはり緊張感が漂っていてハラハラでした。
そして最後、原作でも初となる、巴vsめぐという展開に……


TALE39「疑惑」
『ミカンは1個腐るといつの間にか
 段ボール中のミカンを腐らせる』
 巴vsめぐ……とその前に銀vsみつ。ガンのくれ合い飛ばしあい
ってなもんですね。銀はメイメイを使ってこれに勝っちゃいます。
少しずつですが、銀にもこんな一面が見られるようになってますね。
もっともカナが一緒にいる時が一番出てきますけど……
しかし最初「流血!?」でした。みつを襲った人形とは……

 巴、やはり距離を置かれてる感。
めぐは転校早々「ちゃん付け」なのに、巴はざっと読んだ感じ
みんな「柏葉さん」「委員長」なんですね…。
めぐ、「死が二人を別つまで」これをきらきー宛てに言ってます。
銀と契ったんじゃねーのかいアンタ浮気ですか?
銀居なくなってねーよ! あんた探してるよ!!

そしてめぐを操る糸は2−6の教室にまで。巴vsクラス全員……
40話に続きます。


TALE40「白い悪魔
『男の喧嘩はぶつかり合い
 女の喧嘩は精神の抉り合い』
 巴vsめぐ、とんでもなく激化。めぐは完全に巴の精神を
食いにかかってます。このへん、完全に白い悪魔です。
白い悪魔……そうです、ガンd、もといきらきー。コワイです。

 完全にヒナのことをピンポイントに突いてきています……
もうね、これを悪魔と言わずして何というかですよ。この流れは、
第1部Phase33〜36……ヒナがきらきーにやられる所を思い出し、
ヒヤッとしました。


TALE41「別れ」
『人が変われば最終的に運命が変わる』
 本掲載時はサブタイなくて、扉絵、悲壮感漂う喪服のカナが、
バイオリン片手にピアノのそばで突っ立ってる絵だけだったんで
なんかもう……「虚無」を感じました。やっと明らかになった
サブタイの「別れ」は、それ以上に悲劇。

 銀とめぐ、ついに感動の再会……の雰囲気ではありません。銀すら
激怒する最悪の再会。めぐの台詞もいつもに増して棘だらけです。
このとき巴とみつも邂逅しますが、寸での所でみつは攫われます。
めぐ完全に第2形態です。怖すぎます。そして……リアルきらきー
お父様と呼んでいた人物……それは鳥海、テメーが!!


TALE42「絶望と希望」
『四人寄ればいろんな知恵』
 銀から紅までの5人と巴という今までにない構図。そして一行が、
そして読者の我々さえも雪華綺晶のまやかしの世界にいたことを
改めて知らされることに。

 カナは涙ながらに「私たちはいつも一人」こう言いますが、
涙ながらというところがミソですね。この涙一つで、この台詞は
本心じゃないことが分かります。

 リアルきらきーの妹というボロボロ人形は、まさに狂気。
背もカナより約75%低く、だいたい52cmほど……

 俺的・7巻最大の名場面。真紅がヒナの生き写しのように
なり、絶望して自責する巴を慰め、励ます所は、俺も本掲載時涙が
あふれ出ました。YJ買った帰りの電車の中で。TALE30でも触れられた
「ミステカが本来の持ち主の思い出を共有させる効果」がここで
発揮されます。ヒナ、またもGJ! 絶望は、希望に変わりました。

 そしてまさかの4巻以来の19歳ジュンが登場して43話に
続きます。


TALE43「平穏な日常」
『テレビ電話は最初結構戸惑う』
 4巻以来のジュン(19)側ストーリーですが、並行して現在の
動きも描かれます。ボロ妹こそ、TALE39でみつを襲った人形であった
ことが判明。ひらがなカタカナが混じった片言の台詞には、真紅たち
の言葉がほぼ使われています。見たところ紅、蒼、ヒナの台詞が明らか
に確認できました。
蜘蛛の巣のごとく手足を四方八方に伸ばすさまは、さながら「ふしぎの
国のアリス」中盤に出てきた、豚になる赤子のようです。

 5年後のジュンはまあ、以前よりは前向きに我々の想像しうる
「最近の平凡な大学生」生活を送ってるようです。いろいろありつつ
楽しかった思い出というものは長く根付くもんで、その時のアイテム
なんかは目に付くところに飾ったりなどしちゃいます。
夢うつつでTALE1〜25までの日々を振り返り、目が覚めると
なんとまさかのテレビ電話着信。繋がった先はこれまたなんと、
「まいた世界」。5年の時を超え、また2世界が繋がり……
8巻へ続きます。


 7巻ということで表紙は一巡しましたが、物語はまだまだ続きます。
鳥海とめぐ、暗黒面に堕ちた方々の本性が徐々に明らかになってます。
8巻……「ローゼンの8巻」といえば、薄いながら回天篇だった旧版
以来の「8巻」です。表紙はだれになるんでしょうか。
本命真紅、対抗きらきー、いやまさかの2巻連続ヒナか……?