双子でも気も合わない時くらいある 〜蒼星石考察〜

 ご無沙汰となってしまいましたが、ドールズ考察。
第6弾は蒼星石の考察で行ってみようと思います。
「蒼い子」「僕っ娘」で有名なお方ですね。


 ローゼンメイデン第4ドールのこの子は、すぐ上の姉である
第3ドール・翠星石と双子の関係にあります。翠星石の考察でも
述べたように、これは「ローザミスティカの形が2ヶぴたりと
重なる、最初から一つだったように」という所に由来するものです。


 ニッカポッカ、ショートヘアー、背の低いシルクハット、
紺碧のカラーリングに一人称も「僕」ということで、まず
抱いた印象はだれもが「男の子!?」だったことでしょう。


 服は翠星石のものと上半分はほぼ同じですが(肩回りが
少し違うかな)下半分はもう対といってもいいような具合
でございます。髪の分け目と目の色も対になっています。


 双子ということで身の丈は翠星石とほぼ同じ85cm。
新装版第一部4巻の表紙を見ると、蒼星石の重要アイテムの
一つである「庭師の鋏」はその身体の半分ほどの大きさです。
つまり約43cm。刃渡りは実に約21cmを誇ります。
この鋏で、心の樹にある「余計な枝」を切り、翠星石
「庭師の如雨露」とともに心を整えるというわけです。


 この鋏を出してくれる人工精霊の名は「レンピカ」。
香水の「ロリータ・レンピカ」からですね。余談ですが
俺の友人が実際に買った上俺に付けてくれましたが、いい香りでした。


 さて性格の方ですが至って真面目で従順。一本筋が通っています。
いや通っているというかもう貫いてます。自分に不利な場合ですら
(最悪命も懸ける状況でも)命令とあれば背きません。


 ゆえに、いくつもの悲劇的状況に巻き込まれます。漫画では
契約者の野望に加担し暗黒面に落ちます(第一部3巻〜4巻。)
契約者である結菱一葉の亡き弟の婚約者を心の樹ごと殺めるという
なんともダークなものでした。


 最終的にはそれが原因となり、自らを傷つけその動きを停める
に至ってしまいます。挙句に、その時出てきたローザミスティカ
水銀燈に奪われるという事態にまで発展してしまいます。


 第二部では、倒れた翠星石のためにあの水銀燈に取引を持ちかけ
自らのローザミスティカを引き合いに翠星石を助けました。


 アニメでは心の樹やnのフィールドこそ関わるものの、動機が
まったくの逆になります。契約者の柴崎元治の亡き息子・一樹
の代わりとしての扱いになりこそすれ契約者を恨むことなく、
むしろそばにいることで励ましていました。


 元治の妻であり、息子亡きあとずっと眠り続けているマツと、
彼女の心の中に根を張りつづける一樹の意思を何とか助けようと、
自身を救いに来た翠星石・ジュン一行と協力して尽力します。
これを利用した水銀燈の野望も阻止することになりました。


 しかしアニメ2期では偶然覘いた鏡に映った親父(槐?)の
影を見て、あまりにもトートツにアリスゲームの中に身を急がせ
ました。真っ直ぐな思いは、父の幸福=自分の幸福という答えに
行き着き、ついには水銀燈に敗れてしまいます。ゆえに、2期の
12話では……復活しませんでした……。


 アニメ漫画両方に共通するのは、血縁関係にある誰かを亡くした
お爺さんに仕え、その誰かに関わる別の誰かの心の樹に干渉する
という点。違うのは目的といったところです。


 意外なところでは第2部5巻。翠星石に「鍋をみといてくれですぅ」
と頼まれ、鍋をガン見しつづけ中身を焦がすという何とも想定外な
御茶目な一面も見せてくれました。


 とにかくまっすぐさゆえに苦労の絶えない蒼星石ですが、
その真直さが彼女の良いところ。どんな時も凛とした表情で
前を見据えるイメージが根強いです。